ハングル
'訓民正音'をいつからハングルと呼ばれるようになりましたのでしょうか?正確ではありませんが残っている記録を参考すると1910年代の序盤からであろうと推定することができます。
'訓民正音'は創製以後'正音、諺文、反切'などでよばれており、1894年甲午の改革以後'国文'あるいは'国書'だと呼ばれ始めました。そして1913年創立された学術研究団体'Baedalmal(ベダルマル)Geulmoum(グルモウム)'の"Hangeulmo(ハングルモ)Jukbogi(ズクボギ),同年発行された子供向けの雑誌"Aideulboi(アイドゥルボイ'の'ハングル解'などで'ハングル'という名称が確認されます。
以後1927年朝鮮語学会で研究雑誌'ハングル'を発刊して、1928年には'gagyanal(がギャナル)'を'ハングルの日'と呼び直しはじめて'ハングル' という名称が広く使われるようになりました。
ハングルの製作原理
形をまねて作りました。
訓民正音28字は8字を基本字として作りました。基本字の中で子音5字は発音器官あるいは発音する形をまねたし、母音3字は天、地、人をまねました。
子音は'ダッソリ'とも言いますが、ダッソリは喉から息が出るときその息が発音器官に付きながら作られた音だという意味です。我々の口の中からダッソリが作られる場所は奥の歯、舌、唇、歯、喉で全部五つの場所です。その発音器官あるいは発音する形をまねて作った基本字がそのもの'ㄱ、ㄴ、ㅁ、ㅅ、ㅇ'の五つの字です。奥歯の音(オグムニッソリ)の'ㄱ(ギヨク)'は舌の根が喉を塞ぐ形、舌の音(ヒョッソリ)の'ㄴ(ニウン)'は舌先が前歯の上歯ぐきに付いている姿、唇の音(イプスルソリ)の'ㅁ(ミウム)'は唇をつぐんだ時の口の形、齒の音(イッソリ)の'ㅅ(シオッ)'は歯の形、喉の音(モクソリ)の'o (イウン)'は喉が開いたときの喉の姿をまねました。このように声を出すときの発音器官とその動きを正確に観察して分析して作った科学的な研究の産物です。
母音は ‘ホルソリ’ とも言いますが、ホルソリは喉から息が出るとき発音器官に付かないで独立して出る音だという意味です。 母音の基本字は ‘天(․)、地(ㅡ)、人(ㅣ)’の形をまねました。天は日のような陽性を、地は月のような陰性を、人は中性を意味します。 母音の基本字をこのように作った理由は陽性は陽性同士、陰性は陰性同士に似合う我が言葉の特性を表すためでした。
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▲ 子音作りの基本字
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▲ 母音作りの基本字
画数を加え、合わせて作りました。
訓民正音は全部28字でありますが、基本字は子音5字(ㄱ、ㄴ、ㅁ、ㅅ、ㅇ)、母音3字(·、ー、ㅣ)に過ぎません。基本字を作ったあと、加画と合字を通じてもっと必要な文字を作りました。子音の場合は加画、母音の場合は合字の規則を適応しました。
子音の基本字'ㄱ、ㄴ、ㅁ、ㅅ、ㅇ'は強くない音です。この音より息を多く出して強く音を出すと強い音になります。強い音を表すために画を足した9字をまた作りました。この以外にも異体字(模様が違う文字)'
'3字がもっとあり訓民正音の子音字は全部17字です。
母音の場合は基本字の合せる規則を適応しました。基本字(·、ー、ㅣ)を一回ずつ合わせて'
(ㅗ,ㅏ,ㅜ,ㅓ)'の四つの字を作りました。ㅡに․を上下に合わせて'
(ㅗ, ㅜ)'を作り、'ㅣ'に'․'を左右に合わせて'
(ㅏ, ㅓ)'を作ったのです。'
(ㅛ, ㅑ, ㅠ, ㅕ)'は'․'を二回ずつ合わせて作りました。自然の理から見るとアレア(·)が上方と右側に付くときの陽性母音、下方と左側に付くときの陰性母音になります。
このようにハングルは最小の文字で基本文字を作り残りは基本字から規則的に拡大していった文字であり、簡潔でありながら学びやすいし、書きやすいです。ハングルの科学的な特性は自然哲学と連結され、もっと光をはなしますが母音文字には天(陽性)と地(陰性)の陰陽思想とここに人(中性)までともに調和をなす三調和思想、すなわち天地自然の文字哲学がこもっています。
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▲ 奥歯の音
(オグムニッソリ)
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▲ 舌の音
(ヒョッソリ)
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▲ 唇の音
(イプスルソリ)
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▲ 齒の音
(イッソリ)
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▲ 喉の音
(モクソリ)
訓民正音
'訓民正音'はハングルの元の名称です。1443年陰暦の12月世宗実録には"今月王様が諺文28字をお作り……これを訓民正音と名付ける。"という内容がでますが、これは訓民正音を言及した最初の記録です。
"訓民正音"は本の題目でもございます。これは1446年'訓民正音'の創製当時の形と創製原理、学問的背景などを収録して刊行した本であり、俗に"訓民正音(解例本)と称します。この"訓民正音"は新しい文字を作る趣旨を明らかにした大王の序文と文字の音価と運用法などを説明した例儀、子音字·母音字の製字原理と初声·中声·終声の概念および表記方法を表した解例、文字の創製者とその優秀性などを明らかにした鄭麟趾(ジョン․インジ)の序文などで構成されています。"訓民正音"を通じて今日我々はハングルの創製目的と原理および音価と使い方などを具体的にわかることができます。
国宝第70号に指定された"訓民正音"は国語史·文化史·思想史的に高い価値を認められ1997年10月ユネスコの世界記録遺産に登録されたし、現在原本は澗松美術館が所蔵しております。
さて、漢文本である"訓民正音"(解例本)の一部をハングルで翻訳した本を"訓民正音"(諺解本)と称しますが、‘
’ というようなお馴染の文章で我々に知られております。